ヒマつぶし情報
2020.11.05
誰も信じないほんとにやってた
ディスプレイ【第六話】
頭良さそうな事をしたい
好評なのか何なのかよくわかりませんがおかげさまで6回目です。(第2話はコンプライアンス的に完全にアウト過ぎて没となりましたが、いつかゲリラ的にどこかで公開してやろうと思ってます)
さて、ヴィレヴァンと言えばまずあの黄色い紙に書かれた「POP」のことを真っ先に思い浮かべる人も多いと思いますが、POPと組み合わせることで更に威力を倍増させるのが「ディスプレイ」のセンスです。
そしてヴィレッジヴァンガードに於ける
「ディスプレイのセンス」のキモは
「関連性とストーリー」
だと僕は教わりました。
引き出しが多ければ多いほど「アレの隣にはコレを、コレの隣にはアレを......
というネタが増えて
「お、このコーナー作った人は分かってるなぁ」という。頭の良さげなディスプレイになって行くのです。そういうのが、やりたいんですよ。
受け継がれる「知識の引き出し」
そんな「頭良さげで知性を感じるディスプレイ」の中には先人から伝統的に引き継がれるものもあります。
例えば僕が新人の頃に教わったのはこれ↓
「童貞関連の本の横にはこのメガネを置くとよく売れるから覚えといて。
POPにはもちろん【童貞メガネ】って書いて」
知識の引き出し
関連性とストーリー
頭の良さげな
ディスプレイ
です。
誰が何と言おうと
頭の良さげな
ディスプレイ
です。
そしてそれが伝統として受け継がれる会社なのです。
思いついたら腐るまで
またある時、「武器コーナー」に「斬鉄剣」っぽい刀のおもちゃが入荷しているのを発見した僕は
ぼく「斬鉄剣っぽくない!?斬鉄剣じゃんこれ!」
「ルパンのですか?」
ぼく「そう五右衛門の!」
「そういやそうですね。じゃ五右衛門の絵でもかいときますか?」
ぼく「いや、横にこんにゃく置いとかなきゃ!」
「こんにゃく......ですか?」
ぼく「斬鉄剣と言えばこんにゃくだろ」
「???」
ぼく「斬鉄剣で切れない唯一のものがこんにゃくじゃないか。ちょっと経費でこんにゃく買ってくる!」
一か月後「Sさん、こんにゃくが......」
ぼく「こんにゃく?何の話?」
「斬鉄剣のところの」
ぼく「ああ、こんにゃくね、斬鉄剣で切れないん......」
「めっちゃ腐ってます」
「斬鉄剣!」と書かれたPOPの横にはディスプレイボックスに入れられ、中で袋ぱんっぱんになって変色しまくった「かつてこんにゃくだった物体」が……
知識の引き出し
関連性とストーリー
頭の良さげな
ディスプレイ
の話をしています。本気です。
かつて創業者も……
ところでこれはヴィレッジヴァンガード創業者の菊池による発言なのですが(以下引用)
「創業当時、あまりにお客さんが来ないので猿投神社から落葉をかき集めてきて店中に大量に敷き詰めて秋の雰囲気にしてみた」
そうです。
正直意味が分かりませんが、たぶんこの時の気持ちはぼくが「斬鉄剣!こんにゃく!」ってやったのときっと同じなんだと
思ってます。
あの時の腐ったこんにゃくは本当に臭くて始末が大変でした。きっと大量の落葉も片付けるのはめちゃくちゃ大変だったんだろうなぁと思います。
ただ最近になってよく「こういうのはコンプライアンス的に」みたいな感じでディスプレイも委縮しちゃってないですか?(自分も含めて)と少しだけ思ったりもします。
でも、よくよく考えたら童貞メガネもこんにゃくも落葉も「なーんにもコンプライアンスなんて気にするようなこと」じゃないんですよね実は。
何の問題もないのに、こっちが勝手に委縮してるだけなんだから、それこそ世の中の方が委縮してる今こそヴィレッジヴァンガードはふざけて攻めてみたいなぁ。などと思っております。
ではまた。
なかのひと:ヴィレッジ本店店長
ほんとはサブカルより生き物がすき。特に爬虫類と両生類と魚、あと背骨の無い生き物全般。
ヘビは断然ナミヘビ派。